インテリアデザイナーになるには

インテリアデザイナーとは

インテリアデザイナーは、インテリア空間設計の専門家として「住空間」「商空間」「公共空間」などボーダレスに仕事を行います。インテリアに関するさまざまなニーズに対して、柔軟に対応できることが強みです。そのため専門的な職種よりも、より幅広く高いレベルが要求される仕事でもあります。

インテリアプランナーとの違い

インテリアプランナーは資格の名称であり、仕事内容を表すものではありません。
業務内容はインテリアデザイナーが〇〇で、インテリアプランナーが△△といった定義はありませんが、共にデザイン面を重視してプランや素材の組み合わせを考え、空間を計画することに注力する傾向にあります。
クライアントの要望に対して、自分はこんな風に考えデザインするということをラフスケッチやCG、模型などを使って相手に伝え、それを形にしていく仕事です。家具や照明器具を選んだり、壁紙や床材を選んだりもしますし、空間のレイアウトを変更して選定したインテリアを配置していく仕事であることに変わりはありません。

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インテリアコーディネーターとの違い

インテリアコーディネーターは資格の名称です。
インテリアコーディネーターの資格ができた当初は、インテリアデザイナーがゼロから空間デザインを行うのに対し、インテリアコーディネーターは既存の空間に既製品をつかったコーディネートやアドバイスを行う、という傾向がありました。
ところが現在ではインテリアコーディネーターの職域が広がり、ゼロから空間デザインを行っている方もおりますので、2つの名称に明確な定義を付けることができません。
肩書きにより業務内容を分けることがナンセンスなのかもしれません。

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インテリアデザイナーになるには

インテリアデザイナーになるためには、インテリアや建築に関する知識や技術を身につけることが必要です。また、仕事をする上でプラスに働く資格を取得するという方も多くいらっしゃいます。これらの専門的な知識を学ぶ方法はいくつかあります。
ここでは、インテリアデザイナーになるための方法の中でも特にスタンダードな3つの方法についてご紹介します。

方法① 独学で学ぶ

独学は、ライフスタイルを変えずに自分のペースで学ぶことができます。参考書でインテリアデザインについて学ぶのが一般的ですが、最近はYouTubeなどの動画を視聴して勉強する方も増えているようです。
独学でもインテリアの知識を身につけていくことは十分可能ですが、専門用語を理解したり空間デザインや製図の技術やセンスを高めたりといった点では、独学での短期間習得は難しいこともあります。また、勉強のスケジュールはすべて自己管理となるため、サボりがちになってしまう可能性もある点にも注意が必要でしょう。

方法② 大学・専門学校で学ぶ

インテリア・建築の専門講師から、必要な知識と技術を学ぶことができます。しかし、学費面やカリキュラムによっては、仕事や家庭との両立が難しいこともあるため注意が必要です。
そして、インテリアや建築を学ぶことができる大学や専門学校は多くありますが、専攻する学科によって身につく知識や技術も変わります。空間をデザインする仕事がしたいのか、それとも家具や什器などのデザイン設計の仕事に関わりたいのか、将来どのような仕事をしたいかをイメージした学科選択が重要になるでしょう。
インテリアデザイナーを目指すなら、専門学校ではインテリアデザイン科がメインとなります。また、大学で学ぶなら工業大学や美術大学の建築学科やデザイン学科が主な選択肢となります。

方法③ スクールで学ぶ

ダブルスクールや仕事をしながら学びたい人におすすめ!
学生、社会人、主婦など、さまざまな年齢や職業の人と一緒に学べることが魅力の1つ。社会人として必要なマナーやコミュニケーション能力アップ、人とのつながりも広がります。
仕事や家事・育児などと両立しながら即戦力となれるスキルを身につけるなら、スクールがおすすめです。

また、スクールに通うことで実践的スキルを身につけることができます。インテリアデザイナーとして働く場合には、製図のスキルだけではなく、CADの知識とスキルを必要とされる場面も多くあります。
特に独学での習得が難しい製図とCADソフトのスキル、短期間習得ならスクールの利用がおすすめ。現場では、AutoCADやVectorworksなどのCADソフト、Illustrator、Photoshopなどを使用することもあります。

スキルがあることで作業の効率化を図ることができ、任される仕事も多くなります。キャリアアップにもつながるため、この業界でプロを目指すなら身につけておくと良いでしょう。
また、スクールは、社会人でも通いやすいカリキュラムが組まれています。働きながら学びたい社会人には特におすすめする学びの方法です。

→働きながら学べる スペースデザインカレッジについてはこちら

インテリアデザイナーに必要なスキルや資格

インテリアデザイナーを目指す上で必要となるインテリア・建築の専門的知識やスキル。ここでは、何を学び、身につけるべきなのか、現場で必要とされるスキル、能力、資格についてご紹介します。

求められるスキル

インテリアデザイナーとして一人前になるためには、クライアントやさまざまな業者と多くのミーティングをこなし、要望やコンセプトを的確にとらえたデザイン設計のスキルが求められます。
ここからは、インテリアデザイナーとして求められるスキルについて、さらに詳しく解説していきます。

CADソフトやAdobeソフトなどのスキル

クライアントへプレゼンを行うときに身につけておくと役立つスキルです。CADソフトやAdobeソフトを使えば、クライアントのイメージする完成図を、より現実に近い形で表現することができます。
立体的に表現したり陰影をつけたりすることで図面と完成時の印象の差がなくなり、完成したらイメージと違っていたというトラブルを防ぐことにもつながります。

コミュニケーション能力

どのような仕事にも共通して必要とされますが、クライアントの要望を形にする仕事には特に欠かせない能力です。
クライアントの納得するデザイン設計をするためには、ヒアリングの際により多くの情報を引き出す必要があります。また、世間話からデザインのヒントを得ることも多いため、ぜひ身につけておきたい能力といって良いでしょう。

プレゼン能力

どんなにデザインが素敵でも、その魅力をすべて伝える力がなくては契約に結び付きません。プレゼンでは、クライアントの求めているイメージがどのように表現できているか、課題をクリアできているか、提案するデザインでどのようなメリットがあるのかなど、的確に伝えることが求められます。

インテリアや建築に関する資格と難易度

インテリアデザイナーに必須資格はありません。知識とスキルがあれば働くことは可能です。ですが、関連資格を取得していることで仕事の幅が広がり依頼が増えることも。
プラスになることも多いため、この業界で上を目指すなら、ぜひ関連資格の取得をおすすめします。
ここでは、インテリアデザイナーとして活躍するにあたって、持っていると役立つ資格について、その概要や難易度を解説します。

インテリアデザイナー認定試験

日本デザインプランナー協会が認定する、インテリアデザイナー資格です。インテリアに関する幅広い知識を持っていることを認定する民間資格です。
専門的な知識と技術を必要とするこの業界では、資格取得は一定以上のスキルを有する証明となり、仕事上のメリットが多いですが、この資格がなくてもインテリアデザイナーとして働くことは可能です。
合格率はおおむね30%程度とされており、資格取得にはしっかりと勉強し知識を習得する必要があります。

一級建築士・二級建築士の資格

国家資格でもある建築士資格があれば、建築設計から空間デザインまでをトータルにプロデュースすることが可能に。大規模建築物の空間デザインをしたい方や、独立を考えている方には特におすすめの資格です。
ただし、建築士試験には受験資格と認定条件があり、二級では約20%、一級では約10%の合格率となる難易度の高い資格となります。

インテリアコーディネーター資格

空間コーディネートの質やセンスを高めることができるおすすめの資格。合格率20%ほどの難易度の高い資格試験となります。
2次試験では製図技術が必要となるため、独学のみでの取得が難しい資格です。

インテリアプランナー資格

建築士と共通の業務を行うことも多い、インテリア設計のプロフェッショナル。建築の基礎知識や設計技術を持ち、工事監理までを担当できるスキルの証明となります。
建築業界やリフォーム業界などでは、即戦力として必要とされるおすすめの資格です。

その他取得しておくと良い資格

  • 照明コンサルタント資格
  • 福祉住環境コーディネーター
  • カラーコーディネーター
  • 色彩検定

など

インテリアデザイナーに向いている人の特徴

インテリアデザイナーの仕事は好きという気持ちだけで長く続けられる仕事ではありません。ここでは、インテリアデザイナーとして向いている人物像についてご紹介します。

インテリアやインテリアデザインが好きな人

インテリアデザインの仕事は、依頼を受けて物件を引き渡すまでに多くの作業と時間を必要とします。完成までにトラブルが起こることも多く、柔軟に対処する力も必要とされます。
未経験からチャレンジすることができるこの業界では、経験を重ねることで知識や技術面のスキルアップを図ることは可能です。デスクワークよりも現場や外回りがほとんどとなる仕事です。
インテリアやインテリアデザインが好きという気持ちが強い人、仕事にやりがいを求める人にはおすすめの仕事です。

デザインセンスがある人

クライアントはデザイナーに対して、自分のイメージ通りに完成すること、または、それ以上の仕上がりを期待しています。特に、クライアントの好みや個性を表現するデザインセンスはこの仕事には欠かせません。
クライアントからの要望やコンセプトを軸に、プロの視点から見た価値を高めるデザインがあれば、積極的にクライアントへ提案していくことをおすすめします。
また、デザインセンスは経験を積み重ねることで磨くことができます。規模や種類を問わず、多くの仕事に携わることがセンスアップにつながることでしょう。

細部にまで目が行き届く人

おしゃれで大胆なデザインは魅力的ですが、実際に過ごしてみたら使い勝手が悪かったという事があります。そのため、デザインをする上では見た目の印象だけではなく、使い心地や住み心地にも気を配ることが大変重要です。
使う人の年齢や家族構成、ライフスタイル、使用目的など、デザインの細部にまで目が行き届く人は特にこの仕事に向いていることでしょう。

人との関わりやチームワークを大切にする人

インテリアデザイナーの手掛ける仕事は、決して一人で完成させることはできません。クライアントとデザイナー、さまざまな業者との良好な関係が必要となります。つまり、チームワークを大切に行動できる人、提案や意見に耳を傾けることができる人は、この仕事にとても向いているといえるでしょう。

体力に自信がある人

インテリアデザイナーの仕事は外回りの多い仕事です。依頼を受けてから物件の引き渡しまでは、クライアントや業者との打ち合わせ、現場へ足を運び作業が正しく進んでいるかの確認作業に追われます。案件によっては深夜に作業を行うこともあり、体力を必要とする仕事でもあります。
そのため、デスクワークよりもさまざまな人と会って仕事をするのが好き、仕事にやりがいや達成感を求める人には大変おすすめの仕事です。

インテリアデザイナーの仕事内容・流れ

ここでは、デザインを手掛ける対象は主にどのような空間なのか、ニーズやコンセプトを実現していく一連の流れをご紹介します。

インテリアデザインを手掛ける対象

個人住宅からオフィス・店舗・ホテル・劇場などの商業施設、病院、公共施設など、あらゆる室内空間を対象とし、時には航空機や船舶、鉄道の空間プロデュースを行うことも。クライアントのイメージやニーズをヒアリングして室内環境をデザインし、空間に合わせた家具やインテリア用品の選定・設計を行います。
そして、インテリアと建築の専門的な知識と技術を活かし、快適性と安全性をプラスした空間を実現していくことがプロフェッショナルとして求められます。

インテリアデザイナーの仕事の流れ

お仕事内容

インテリアデザイナーの仕事を大きく5つのステップに分けて説明していきます。

①ヒアリング・打ち合わせ

クライアントがどのような空間にしたいのか、利用する方の年齢や目的、必要な什器、行動動線、好みのカラーやデザインなど、多くの情報を引き出します。
雑談や世間話からアイデアを得ることも多いので、丁寧なヒアリングや打ち合わせは、スムーズな仕事運びや魅力的なデザイン設計のためにも大切なステップです。

②デザインプランの作成

ヒアリング・打ち合わせを基に、デザインプランを作成します。
使用する素材や家具の選定、施工用図面、CADを使用した3D画像、模型など、プレゼンテーションへ向けた準備を行います。

③クライアントへのプレゼンテーション

図面、模型、資料などを使い、デザインプランの魅力や意図をクライアントへ提案。工事スタート後のトラブルや仕様変更などを防ぐため、修正や確認をしっかりと行います。
プランが確定した後は契約・発注を経て工事のスタートとなります。

④工事監理

工事がスタートしたら、図面通りに工事が進んでいるかどうかを確認するため、こまめに現場へ足を運びます。
予期せぬトラブルにも柔軟な対応ができるよう、クライアント・建築士・施工業者とは、普段から密に連絡を取り合うことが大切です。

⑤引き渡し・アフターメンテナンス

引き渡し後は、ライフスタイルや使用目的の変化により、新たな相談を受けることも。アフターメンテナンスは、新たな依頼へつながる大切なステップとなるでしょう。

インテリアデザイナーの就職先

インテリアデザイナーが活躍する企業や独立についてご紹介します。

デザイン事務所やインテリア業界の企業

家具メーカーやインテリアショップなどのインテリア業界は、インテリアデザイナーが確実に活躍できるおすすめの就職先。家具やインテリア用品のデザイン、商品を用いた空間コーディネートの提案などを行います。
メーカーなどでは勤務時間が決められているため比較的働きやすい環境ですが、インテリアショップなど接客を伴う業務では繁忙期は休日出勤などの可能性もあります。

建築設計事務所やハウスメーカー企業

設計事務所、空間デザイン事務所、ハウスメーカーなどの建築業界では、建築士と一緒に空間設計を行うことがよくあります。そのため、建築の知識と技術が身についていると、即戦力として活躍が期待できます。一般住宅から大型商業施設まで、多種多様な案件に関わることができる、独立を考えている方にはおすすめの業界です。
ただし、商業店舗や公共施設など、手掛ける仕事によっては深夜の作業となることも。やりがいのある仕事ですが、不規則な勤務時間となることに理解が必要です。

その他の就職先

インテリア用品を扱うホームセンターのような小売業界、不動産業界やリフォーム業界、知識や経験を生かした教育業界、出版業界などにも活躍の場があります。

インテリアデザイナーの年収

インテリアデザイナーは収入にかなり個人差がある職種です。どれだけ仕事をこなせるか任せられるかで全く年収は変わってきます。
ここで記載する年収は平均的な年収とお考えください。独立をされてご自分でお仕事をされれば年収はこの限りではないでしょう。

平均的な年収

  • 1年目=200万円~250万円
  • 5年目=300万円~700万円
  • 10年目=500万円~
  • 独立後=1000万円以上稼ぐことも可能。仕事の規模や業績により年収が大きく変わります。

インテリアデザイナーのキャリアパス

インテリアデザイナーの代表的なキャリアパスは大きく分けて2つあります。ここでは、企業に所属して働くパターンと独立するパターン、この2つについてご紹介します。

就職した企業でキャリアを積み上げていく

企業に所属して働くことで、個人住宅から商業店舗、公共施設、家具やインテリア用品のデザインに至るまで、多種多様な仕事に就職時から携わることができます。
企業として依頼を受ける仕事の幅は広く、短期間で完成する案件から数年かけて仕上げていく案件など、その規模も大小さまざまです。そのため、現場経験を重ねるごとにスキルアップやキャリアアップにもつながることでしょう。
業界未経験の方も現場経験を重ねることでスキルアップを図ることができ、プロとして活躍を期待できるキャリアパスです。

インテリアデザイナーとして独立する

独立してフリーランスとして働くためには、実績や経験、人との繋がりが必要です。
プランの魅力を伝えるプレゼンテーション能力やコミュニケーション能力は必須となります。まずは、インテリアデザイナーとして経験を積み、スキルやセンスを磨いてから独立をするのがおすすめです。
実際、企業へ就職してから独立をするというケースは多く、企業勤めで築いた人脈を生かすことで独立後の仕事獲得もスムーズとなるでしょう。

インテリアデザイナーを目指すのにSDCがおすすめな理由

インテリアの仕事に必要な技術が身に付く

インテリアデザイナーを目指すなら、インテリア専門のスクール・SDC(スペースデザインカレッジ)がおすすめです。

理由①

就活面接で驚かれるスキル

SDCで講師を務めているのは、インテリアと建築業界で活躍する現役のプロ。現場で即戦力となる知識と技術が身につきます。

理由②

年齢を気にせず学べる

SDCの入学条件は20歳以上。在校生の半数以上が社会人であり、目的意識の高い人が集まる環境下で学ぶことができます。
生徒の年齢の幅も広く、将来独立を考える人にとっては大切なつながりを築く良い機会となります。

理由③

卒業生の就職先企業からの求人など、即戦力として迎えてくれる企業が多くあります。
手厚いサポートで就職活動も安心のスクールです。

インテリアデザイナーになるには に関するよくある質問

ここでは、インテリアデザイナーになるにあたって気になる方の多い質問とその回答をご紹介します。

Q1.インテリアデザイナーを目指すにはどんなことを身に着けたほうがいいですか?

まずは、インテリアデザインに必要とされるインテリア・建築の専門知識と技術の習得が必要となります。
さらに、就職先によっては製図やCADのスキルを求められることも少なくありません。インテリアデザイナーになるための必須資格はありませんが、役立つ関連資格はたくさんあります。関連資格を取得できれば、就職や転職時にとても大きな強みに。
また、クライアントや業者との打ち合わせの多いこの仕事では、コミュニケーション能力やスケジュール管理能力の高さもインテリアデザイナーとして活躍できるかのカギとなるでしょう。

Q2.社会人でもインテリアデザイナーになれますか?

もちろん社会人でもなれます。インテリアデザイナーになるために、年齢制限や必須資格もありません。未経験からチャレンジできる業界です。
ただし、異業種からこの業界にチャレンジする場合、基礎知識と技術が無ければ下積み期間が長くなることもあります。
そこで、おすすめするのが専門スクールの利用です。基礎知識から現場ですぐに役立つ実践的な知識と技術を短期間で習得することができます。
社会人からインテリアデザイナーを目指すなら、専門のスクールを利用して学びを深めるのが一番の近道となるでしょう。

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