「バリアフリー」と「ユニバーサルデザイン」という言葉を耳にしたことがある方は多いでしょう。
これらは、日常生活の中にある障害を取り除き、誰もが快適に支障なく社会生活を営むことを目的とするデザインのこと。障害がなくなれば、きっと誰もが心身共に快適に過ごすことができるのではないでしょうか。そして、それが職場にも浸透すれば、ハンディキャップのために働くことをあきらめなければならないということも無くなり、優秀な人材の離職を防ぐことにもつながります。つまり、バリアフリー・ユニバーサルデザインの仕事は、社会貢献性を上げることができる重要な仕事であるといえるでしょう。
ここでは、将来性もあり社会貢献度も高いバリアフリー・ユニバーサルデザイン関連の仕事について、おすすめの仕事や転職のコツなどを詳しく解説していきます。
目次
バリアフリー・ユニバーサルデザインとは?2つの違いを解説
似ているようで実は性質の違う二つの言葉。ここからは、バリアフリーとユニバーサルデザイン、この2つの違いについてくわしく解説していきます。
バリアフリーとは
バリアフリーは、高齢者や障害者が生活していく上で障壁となるものを除去するという意味があります。つまり、障害や困難な事を抱える人を対象にしたデザインとなるため、対象者以外が使用すると便利とは言えないデザインでもあります。
ユニバーサルデザインとは
ユニバーサルデザインとは、すべての人が快適に使用できるデザインです。対象者を限定することは一切無く、障害の有無や性別、年齢、文化などにかかわらず、根底に誰もが使用できるというコンセプトを持つデザインなのです。
バリアフリーとユニバーサルデザインの違い
バリアフリーとユニバーサルデザインの大きな違いは、障壁を取り除くタイミングにあります。
バリアフリーでは、今ある障壁を取り除いて快適性や利便性を高めるようにします。それに対してユニバーサルデザインでは、初めからすべての人が快適に利用できるデザインとして設計を行うのです。
バリアフリー・ユニバーサルデザインの事例
ここでは、バリアフリー・ユニバーサルデザインがどれほど私たちの生活に浸透しているか、より具体的な事例をご紹介します。
バリアフリーの事例
高齢や障害のため、生活に困難を感じる場合があります。今ある障壁を取り除き、障害を持つ人もサポートする人も快適に過ごすために次のようなバリアフリー事例があります。
- 玄関・廊下・トイレなど、生活動線に沿って手すりを設置
- 段差をなくしてスロープを設置する
- 個人住宅や公共施設などに階段昇降機の設置
- 光で知らせるインターフォンの導入
- 点字ブロックなど
ユニバーサルデザインの事例
誰もが参加しやすい社会づくりのため、個人住宅やオフィス、ホテル、公共施設などに積極的に採用されています。特にインテリアに関する具体的な事例には次のようなものがあります。
- 安全な出入りを可能にする自動ドア
- 上がり框のないフラットなエントランスホール
- フラットレールや吊り戸を採用して室内空間全体をフラット化
- 車いす利用者や高齢者、お子様連れなど誰もが安心して利用できる多機能トイレ
- センサー機能のある蛇口、照明
- 弱い力でも押しやすくデザインされた大きなスイッチパネル
- 手で触るとわかる突起のあるシャンプーボトル
- 車いすでも座った姿勢でも使用できる、洗面台下のスペースが空いたデザイン
バリアフリー・ユニバーサルデザインに関わる仕事
ここからは、どのような仕事に就くとバリアフリー・ユニバーサルデザインに関わることができるのか。詳しい職種についてご紹介いたします。
福祉住環境コーディネーター
高齢者や障害者へ快適な住環境のアドバイスや提案を行います。例えば、それぞれの状況を把握した上で、最適なリフォームや最適な福祉器具の提案、住宅改修支給申請の理由書の作成などを行います。
ユニバーサルデザインコーディネーター
今後さらに注目度の高まりが期待される仕事です。あらゆる人にとって快適な商品やサービス、環境を設計・提案するプロフェッショナルであり、ユニバーサルデザインコーディネーターが在籍する企業も増えつつあります。
空間デザイナー
個人住宅から店舗やオフィス、商業施設、ホテル、公共施設、美術館などの内装や装飾をデザイン設計する仕事です。新たな空間をゼロから設計する際、さまざまな人が利用する施設や店舗ではユニバーサルデザインを採用して設計を行うことがほとんどです。
インテリアコーディネーター
既製品をつかった空間コーディネートを行う仕事です。暮らしの中に障壁がある場合には、生活動線を優先した家具レイアウトの提案、問題を解決するインテリア建具やインテリア用品のアドバイスなどを行います。
インテリアデザイン
インテリア空間のデザイン設計やインテリア用品自体をデザインするのが仕事です。クライアントの要望やコンセプトによっては、ユニバーサルデザインやバリアフリーを意識したデザインを行うことも。これからの時代は、特にユニバーサルデザイン分野に深く関わる案件が増えていくことが予想されます。
バリアフリー・ユニバーサルデザインに関わる仕事に向いている人
専門的な知識や配慮などが必要とされる仕事となります。興味関心だけでは判断しにくい業種でもありますので、ぜひこちらをご覧いただき自分に向いているか参考にしてみてください。
福祉に関心がある方
バリアフリー・ユニバーサルデザインの知識で高齢者や病気の方、障害のある方を支援したい、社会福祉に関心のある方にはやりがいを感じられる仕事です。時には悩みを持つ方から暮らしの相談を受けることもあります。そこから重要なヒントを得ることもあるため、聞き上手な方にも向いているでしょう。
ユニバーサルデザインやバリアフリーに関心がある方
日頃からユニバーサルデザインやバリアフリーについて関心の高い人が活躍しやすい仕事です。さらに、問題があれば解決するまで意欲的に取り組むことができる方には、特におすすめする仕事でもあります。
建築やインテリアに関心のある方
ユニバーサルデザインの採用やバリアフリー工事を行う際には、問題をクリアにするために建築やインテリアの知識は必須になります。そのため、建築やインテリアが好きという人に向いている仕事でしょう。
バリアフリー・ユニバーサルデザイン業界への就職・転職のポイント
ここでは、バリアフリー・ユニバーサルデザイン業界で仕事をしたいと考えている方へ向けて、理想の就職や転職を実現させるポイントについてまとめました。これらは、就職・転職へ向けた大切な事前準備です。ぜひ参考にご覧いただき、就職活動を始めるまでに実践してみてください。
適性を見極める
バリアフリーやユニバーサルデザインについて考える時は、どのような状況に対しても臨機応変に対応する能力が求められます。さらに、その空間を利用する方からできるだけ多くの情報を集め、最適なデザイン提案をする必要があります。そのため、コミュニケーション能力の高さや聞く力に自身のある方にとっても活躍しやすい業界といえるでしょう。
自己分析は、今まで気づかなかった自分のアピールポイントを知ることにもつながります。就職・転職活動を始める前には自己分析を行い、ぜひ自身の適性を見極めてみましょう。
業界研究を行う
業界研究を行うことで表面の印象とは違った情報を得ることができます。自己分析と同様に重要な事であり、自分に合う企業へ就職できるかのカギとなります。業界全体の動向や各企業内の業績や事業内容、制度、採用情報などを調べ、自分の持っていたイメージと業界研究で得た情報をすり合わせていきます。インターネットから情報を得るだけではなく、合同企業説明会や業界研究書籍を利用するのもおすすめです。
しっかりと業界研究を行うことで理想と現実の差がなくなり、働きたいと思える企業に巡り合うことができるでしょう。
経験やスキルを身につける
この業界で仕事をするなら、バリアフリー・ユニバーサルデザインについてはもちろんのこと、建築、インテリア、福祉、医療、介護などの知識とスキルがあると大変役立ちます。そして、企業によってはインテリア・建築業界や福祉施設での勤務経験、介護の経験がとても大きな自己アピールとなることもあります。
ユニバーサルデザインに関わるインテリアを学ぶならSDC
ユニバーサルデザインやバリアフリーに関するインテリアは、建築やインテリアの専門スクールを利用して学びを深めるのがおすすめです。スペースデザインカレッジ(SDC)では、現役のプロによる授業を受けることができ、この業界で働くときに必要な知識を得ることができます。さらに、就職先の紹介などのサポートも充実していて、希望する職種や自分の適性を活かせる企業に巡り合える可能性も高まることでしょう。
これからバリアフリー・ユニバーサルデザインの業界で働きたいと考えている方は、ぜひスペースデザインカレッジを通して、その第一歩を踏み出してみてはいかがでしょう。
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