卒業生インタビュー
INTERVIEW
"Contest 2023"

2023年度
コンテスト受賞作品・
受賞者インタビュー

2023(令和5)年度インテリア産業協会主催コンテスト
受賞作品と受賞者へのインタビューをご紹介します。

インテリアコーディネーターの資格試験を運営する公益社団法人インテリア産業協会が開催しているコンテスト、「住まいのインテリアコーディネーションコンテスト」「キッチン空間アイデアコンテスト」で今年も当校から6名の学生が入賞しました。
当校は同コンテストにおいて開校以来27年連続受賞しており、日本最多受賞校です。

住まいのインテリアコーディネーションコンテスト/課題分野

部門最優秀賞 吉村成さん『水のカーテン』
部門優秀賞 朝生七海さん『めぐる絵本館』
特別審査員賞 中村美結さん『ヨリアイアパートメント』
特別審査員賞 尾﨑萌々子さん『ArtiCultureGifu』

キッチン空間アイデアコンテスト

部門優秀賞 天野遥馨さん『記憶を保存するキッチン』
奨励賞 阿部薫さん『釜土湯』


住まいのインテリアコーディネーションコンテスト受賞作品・受賞者インタビュー


部門最優秀賞 /『水のカーテン』
吉村成さん
吉村成さん『水のカーテン』

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受賞:スペースデザイン設計科2年 吉村成さん

<受賞の内定が決まった瞬間は、どのようなお気持ちでしたか?>

すごく嬉しかったです。自身の作品が学外の場において評価を得られて光栄でした。

<受賞作品に関して、解説をお願いします。>

この作品は自身の実体験などを元にアイデアを固めた、水という自然の素材を活用することで夏の暑さを快適に過ごすサスティナブルなインテリア空間です。水路橋から運ばれてきた水が空間を巡回した後に川へと放出されることで持続的に水資源を活用できる機能的側面の他、水が空間を巡回する際に天井から滴る様に魅せることで水のカーテンが現れ、そこに風が通るとインテリア空間に清涼感を生み出す意匠的側面を兼ね備えています。また、透明な床に水面が映り込んだり、鳴り響く心地よい水音、外からの光が水のカーテンと一緒に降り注ぐなど、水が巡回する過程において様々なデザイン作用が働くインテリア空間になっています。

<SDCに入学されるまでの簡単な経歴や職歴などを教えてください。>

工業高校でインテリアの基礎を学び、大学では建築学科に入り建築とインテリアの両方を専攻しました。大学卒業と同時に作品にブラッシュアップを効かせたかったのと、トレンド情報の行き交う大都市で刺激を受けようと思い関西に来ました。

<SDCに入学を検討されている方、勉強しようか悩んでいる方たちにアドバイスをお願いします。>

悩んでいる内に実は答えって出てたりすると思います。直感を信じて進んでみて、課題だけでは無くて学生生活もクリエイティブに彩ってみてください。そうする内に自然と楽しくなるはずです。




部門優秀賞 /『めぐる絵本館』
朝生七海さん
朝生七海さん『めぐる絵本館』

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受賞:スペースデザイン設計科2年 朝生七海さん

<受賞の内定が決まった瞬間は、どのようなお気持ちでしたか?>

1年生の時に比べて試行錯誤して作った作品なので、受賞いただき大変嬉しく思いました。

<受賞作品に関して、解説をお願いします。>

サスティナブルなインテリア空間について考えた時に、そもそもサスティナブルが身近にないことがサスティナブルな社会をつくれない原因だと思い、「身近に感じて、継続して使える施設やインテリアを作る」というのを大きいコンセプトに考えました。
最近はなんでもデジタル化が進む中で、まだまだ紙が使われており廃棄されている点がサスティナブルでは無いと思いインテリアに組み込みました。

<SDCに入学されるまでの簡単な経歴や職歴などを教えてください。>

事務職などをしつつ、東京や大阪などで働いてました。

<SDCに入学を検討されている方、勉強しようか悩んでいる方たちにアドバイスをお願いします。>

S私は19歳の時からSDCへの入学を検討して、4年悩んだ末、できる仕事ではなくやりたい仕事をしたいと思い入学しました。
私に出来るのかと不安に思い数年悩み時間を費やしましたが、出来るかではなくて出来ると信じてやりたいことを努力することが大事なんだと思います。




特別審査員賞 /『ヨリアイアパートメント』
中村美結さん
中村美結さん『ヨリアイアパートメント』

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受賞:インテリアデザイン設計科2年 中村美結さん

<受賞の内定が決まった瞬間は、どのようなお気持ちでしたか?>

納得がいくまで修正を重ね、とても時間をかけた案だったので、それが評価されたことがとても嬉しかったです。授業内発表での講評を反映させたことでより良くなったと感じているので、講評・指導してくださった講師の先生方にとても感謝しています。

<受賞作品に関して、解説をお願いします。>

かつての日本では当たり前に存在していた職住一体の生活。地域でのコミュニティや地域経済圏を大切にし、持続可能な社会を形成していた江戸時代の生活様式に着目し、現代の生活に合わせた空間を提案しました。

<SDCに入学されるまでの簡単な経歴や職歴などを教えてください。>

高校卒業後、大学へ入学し、大学4年次にダブルスクールとして、SDC大阪校の1年目に通い始めました。
大学卒業後は、アルバイトで生計を立てながら、SDCの2年次へと進学しました。

<SDCに入学を検討されている方、勉強しようか悩んでいる方たちにアドバイスをお願いします。>

講師の先生方が、設計やインテリアのお仕事をしながら学校でも教えてくださっているため、実務での経験をお話ししてくださるのが最大の魅力だと思います。
また、同じ志をもった仲間と出会えるのも学校ならではです。知識を身に付けるだけなら独学でも十分ですが、学校に通うことで、「様々な話を聞き、相談をし、考える」という経験を得ることができました。




特別審査員賞 /『ArtiCultureGifu』
尾﨑萌々子さん
尾﨑萌々子さん『ArtiCultureGifu』

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受賞:インテリアデザイン設計科1年 尾﨑萌々子さん

<受賞の内定が決まった瞬間は、どのようなお気持ちでしたか?>

実は当時、他の課題のプレゼンなどであまり思うような評価が得られず、誰も見てくれていないのかな…と落ち込んでいた時期だったので、受賞のメールを見つけたときは本当に嬉しかったです。
これから先、お仕事で行き詰まったり悩んだりすることはきっとあるけれど、この気持ちを忘れないようにしよう!と思える経験になりました。

<受賞作品に関して、解説をお願いします。>

地域の文化に気軽に触れて、私は伝統工芸やその土地ならではの文化がとても好きなのですが、やはり歴史のあるものはハードルが高いと感じたり、それを作る職人さんや、アーティストの方は遠い存在というイメージがあるのではないかと思っています。
そこで、道の駅のように誰もが気負わずにふらっと立ち寄れる空間をコンセプトにしました。入口のギャラリースペースで興味を持ったらぐんぐんと中に進んで、実際に職人さんやアーティストの方と話したり、図書スペースで知識を深めたり、また実際にその制作現場に立ち会うことができたら、もっと身近に感じられるのではと思い、空間のつながりを考えました。
この場所を訪れることでその土地を誇りに思ってくれる人が増えて、地域の活性化に繋がったり、固定住民と流動的な訪問客の交流によって新たなものが生まれたりと、次の世代にその土地の文化を残していくひとつのきっかけとなるスペースになればいいなと思っています。
理想はArtiCulture 〇〇のように各地にこんな施設ができてほしいです!

<SDCに入学されるまでの簡単な経歴や職歴などを教えてください。>

私は四年制の大学に通っていて、卒業後にそのままSDCに入学しました。大学ではアート関係の仕事につきたいと考えていて学芸員資格を取ったのですが、在学中にインターンをしていた芸術祭で、普通のギャラリーではない場所(例えば蔵やお城など)でその空間を生かした方法で展示されているアート作品を見て、空間をデザインすることや、元々ある空間に掛け算をしてより良くすることに興味を持ちました。
子供の頃からインテリアや空間作りにまつわることには興味があったので、学校できちんと学びたいと思い、友達が通っていたSDCを紹介してもらって入学しました。

<SDCに入学を検討されている方、勉強しようか悩んでいる方たちにアドバイスをお願いします。>

この一年は本当にあっという間で課題も多く忙しかったですが、課題をひとつ終えるたびにできることが増えたり、クラスメイトとアドバイスをしあって支え合いながらも良い刺激を受けたり、自然と力がつきました。
またSDCの先生方は卒業生も多く、先生でもあり先輩!というような存在で、実務につながるように親身に教えてくださるのでこの学校を選んでよかったと思っています。




キッチン空間アイデアコンテスト受賞作品・受賞者インタビュー


部門優秀賞 /『記憶を保存するキッチン』
天野遥馨さん
天野遥馨さん『記憶を保存するキッチン』

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受賞:インテリアコーディネーター科 天野遥馨さん

<受賞の内定が決まった瞬間は、どのようなお気持ちでしたか?>

もちろん嬉しかったです。賞をいただけると思っていなかったので、作品データをちゃんと整理しておらず後で困りました。

<受賞作品に関して、解説をお願いします。>

この作品制作の時期に、大学の授業でディープフェイクによる故人が目の前にいるような再現技術を知りました。私はある番組を思い出しました。『5年前に冷凍保存された、生前の母が作った最後の料理を食べる』というエピソードです。
私も似たような経験があります。2年前に亡くなった母方の祖母は、年始に必ず3段のおせちを作っていました。彼女は味見しながら料理をしていたので、正確なレシピを伝えることができませんでした。去年末に、父方の祖父が亡くなり、祖母が一人で黒豆を作りました。しかし、レシピ通りに作っても、なんとなく味が違うと感じました。
故人の痕跡は、より死を実感させるものです。それでも彼らの料理や思い出を通して、彼らとのつながりを感じることができます。そのため、故人との思い出や絆を再現することのできるキッチンがあればなと思い作成しました。

<SDCに入学されるまでの簡単な経歴や職歴などを教えてください。>

関西学院大学総合政策学部メディア情報学科に所属していました。入学当時は建築学科がなかったため、建築プロジェクトという建築士資格取得のためのコースに在籍し、二級建築士の受験資格をいただきました。大学生最後の1年間はSDC大阪校とダブルスクールをしていました。

<SDCに入学を検討されている方、勉強しようか悩んでいる方たちにアドバイスをお願いします。>

課題が思うようにできず、挫けそうになった時もありましたが、周囲のサポートがあって乗り越えられました。週1回1年間のコースをとても楽しい時間として過ごすことができました。
もし失敗や内省してしまうことがあっても、後悔は美徳の春です。今の自分にできることから挑戦してみるのはいかがでしょうか。




奨励賞 /『釜土湯』
阿部薫さん
阿部薫さん『釜土湯』">

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受賞:インテリアコーディネーター科 阿部薫さん

<受賞の内定が決まった瞬間は、どのようなお気持ちでしたか?>

嬉しかったです。先生方、クラスメートの意見に助けられて出来た作品です。評価されて嬉しいです。

<受賞作品に関して、解説をお願いします。>

「釜土で炊いたご飯が手軽に食べたい」という思いで釜土炊きについて調べたところ、排熱を床暖房に利用できると知った事がきっかけです。排熱で銭湯の湯を沸かすのは少しファンタジーなのですが・・・。銭湯の懐かしく、ほっこりとした雰囲気であたたかな作品になったと思います。

<SDCに入学されるまでの簡単な経歴や職歴などを教えてください。>

入学を検討した時には、リフォーム会社でCADオペレーターをしていました。以前から建築は好きだったのですが。建築に関わる資格として、インテリアコーディネーター資格取得を目指したいと思い、入学を決めました。

<SDCに入学を検討されている方、勉強しようか悩んでいる方たちにアドバイスをお願いします。>

インテリアコーディネーター科の授業は週1回ですが、課題を仕上げるためには(授業外に)それなりの時間が必要になります。実際に手を動かして、課題を仕上げていく事が、とても良い勉強になります。先生との距離が近いので、気軽に質問をすると良いと思います。
私のクラスはみんなで意見を言い合い、とても楽しいクラスでした。毎回いろいろな気付きがあり、充実した日々を過ごすことが出来ました。