インテリアコーディネーターになるには

インテリアコーディネーターとは

お仕事内容

インテリアコーディネーターとは、インテリアや住宅や商品に関する幅広い知識・専門的な技術などを駆使し、家具やカーテン、照明等の商品をトータルにプロデュースする仕事です。

インテリアコーディネーターのお仕事内容

インテリアコーディネーター・空間デザイナーは、空間のコーディネート、またはインテリアエレメント(家具・照明・壁紙・ファブリックなど)をお客様と一緒に検討し、空間のデザインに対して適切なものをアドバイスしていきます。 建築的な設計部分を担当する事も多く、空間を創造するプロと言えるでしょう。
では、インテリアコーディネーター・空間デザイナーのお仕事内容について、一例としてお客様との打ち合わせから一般的な空間をデザインするまでの流れをご紹介します。


① 仕事の依頼を受ける、取ってくる
企業に属していれば、その会社に仕事の依頼が来ます。 フリーランスなどで独立し、自分自身で仕事を請けるならば、ホームページ等を経由して直接依頼が来るか、コンペ等で勝ち残り仕事を獲得するか、もしくは紹介等、色々な経緯で仕事の依頼があります。


② クライアントとの打ち合わせ・現場調査
案件が決まれば、次は打ち合わせと現場の調査に入ります。インテリア空間のデザインは、最初に一番重要なクライアントの情報を得る事から始まります。 家族構成、趣味、仕事、空間のイメージ、予算…等々、どれだけの情報を引き出せるか、クライアントの信頼を得られるかと言ったコミュニケーション能力がデザイナーには求められます。
また、並行して住宅や店舗の現場をメジャーで計り、図面にするために必要な調査・計測も行います。


③ コンセプト・仮図面・イメージ(模型・スケッチ・パース・CG等)の作成
打ち合わせで得た情報から、今回の空間のコンセプトを決めます。クライアントのイメージをまとめ、テーマを決める事で、それにあったインテリア家具・インテリアエレメントなどを選定していきます。 コンセプトが決まったら前回調査を行った空間の図面を作成しながら描き、壁の場所を変えたり、設備を変更したりしていきます。 初期図面が完成したら、クライアントとの打ち合わせに向けて、イメージした空間をビジュアル的に伝えられるものを用意します。クライアントは設計のプロではないので、図面をみてもどんな風になるかわからないことがあるからです。イメージの伝え方として、状況によりそれぞれを使い分けられるようにする等の柔軟な対応力は、デザイン業界でも貴重な能力として認められます。


④ プレゼンテーション
これまで打ち合わせを重ねてきた内容を最終決定として問題が無いかを確認して、微調整をしていきます。基本的には大きく変更が入ることは多くありませんが、これ以降の変更は原則的には難しいので、クライアントにもデザイナーにも重要な最終確認ポイントになります。


⑤ 工事用図面作成(施工図)・予算決定~契約
最終的な見積り金額を出します。また、実際の工事ではクライアント用にプレゼンテーションで使用した図面では情報が不足しているため、職人向けの図面(施工図)も作成します。 それらが正式に完了して、最終的な費用を含め契約となります。


⑥ 現場管理
工事が始まると、後は専門の職人さんたちに現場をお願いする形になります。ただ、細かい部分や分かりにくい個所もあるので、工事の状況を確認する必要があります。指定していた内容と違う場合はやり直しをして貰う必要があったりするので、定期的に現場を確認していきます。


⑦ 完成~受け渡し・アフターフォロー
工事が無事終われば完成となり、クライアントにお引き渡しします。基本的にはここまでがインテリアコーディネーターの業務の流れになりますが、引き渡し後も何かトラブルが起こることもあり得ますので、引き続き責任をもっていく事が必要になります。

仕事内容について詳しくはこちらを御覧ください。

インテリアコーディネーターになるための方法とは

インテリアコーディネーターを目指すには、まず大学や専門学校を出て、住宅メーカーや家具メーカー、インテリアショップ、設計事務所に就職するのが一般的です。しかし中には独学で勉強し、資格を取得する方もいます。それぞれの方法についてメリット・デメリットをご紹介します。


1.独学で学ぶ
独学のメリットはまずコストがかからないことです。
また、場所や時間にとらわれず自分のペースで勉強できるため、仕事の合間や、家事や育児などをしながら取得を目指すことが可能です。
一方で、すぐ質問できる先生や仲間が身近にいないということは大きなデメリットとなります。特に実技は独学の方が挫折されるポイントで、実際に図面を描いたり読んだり出来なければそもそも手を付ける事が出来ないでしょう。


2.大学で学ぶ
大学のメリットは、学歴としても通用し4年間などじっくりと時間を掛けて学ぶことが出来ます。高校生から進学して何も分からない中で0から勉強していくのには適していると言えます。
デメリットとしては、時間的、金銭的なボリュームも大きいので、社会人の方などが学ぶ環境としては少し厳しいかもしれません。


3.専門学校や専門のスクールで学ぶ
専門学校のメリットは、インテリアコーディネーターに必要な知識・技術を集中的に学べるほか、インテリアコーディネーター資格試験や就職のサポート体制が徹底されている学校も数多くあります。
また、全日制・夜間コース・短期集中型のコースなど学科やコースが多彩に用意されており、社会人として働きながら通う場合でも無理なく勉強を続けやすいといえるでしょう。年齢関係なく幅広い世代の方が通っています。

インテリアコーディネーターに求められる能力

インテリアコーディネーター・空間デザイナーには豊富な知識と経験が求められます。
インテリアに関する知識は素材・商品・販売店から形状や使い心地まで。様々な質問、相談を適切にこたえなければなりません。また、建築的な技能も必要で、現代ではその双方を併せて空間をデザインする能力が求められます。

インターネットが普及し、プロや専門家でなくとも手軽に欲しい情報を手に入れる事が出来るようになりました。お客様も自分のお金で空間を造るので、とても熱心に勉強をしてこられます。それに対してインテリアコーディネーターや空間デザイナーはより具体的な提案をしていかなければなりません。

また、年齢も重要なポイントです。例えば年齢の若いコーディネーター・デザイナーだけで伺えば、お客様は子育てや家事をしたことが無い人に任せて大丈夫なのだろうか。と心配されます。勿論それを覆せるほどに勉強や経験をしているわけですが、若い方よりも経験豊富な方のほうがお客様は安心して任せてくれます。インテリアコーディネーター・空間デザイナーに求められる能力はインテリアに関する知識は勿論ですが、重ねてきた人生経験も武器になる業界です。

求められる能力
  • 素材・商品・使い心地・販売店の知識
  • 建築的な知識
  • 提案力
  • コミュニケーション力
  • 豊富な人生経験


求められる能力について詳しくはこちらを御覧ください

インテリアコーディネーター資格について

インテリアコーディネートにはインテリアコーディネーター資格で求められる知識や、福祉住環境コーディネーター資格で求められる福祉という観点など、関連する資格で持っていて損をするものは有りません。
よく、「どれを取っておいた方が良いか。」等も質問されますが、どれが必要なのではなく、自分がどの様な仕事をしたいかで資格を取る方が多いです。
関連する資格の取得は、必ず必要ではありませんが能力を証明する上でも重要な役割を果たしてくれます。

インテリアコーディネーター資格を取得するメリット

お客様に安心感と信頼感を持ってもらえる
近年、自分の住空間にこだわりを持つお客様が増えてきたこともあり、専門的なインテリアコーディネーター資格の有無を重視して相談相手を選ぶお客様も増えています。
資格試験の勉強をすることで、幅広い分野の知識が必然的に身に付く
資格試験を突破することで自分のスキルに自信がつくはずです。その自信は接客の際にも有利にはたらきます。

就職や転職に際に役立つ
人気があり競争率が高い中、就職の際に他の応募者に差をつけることができるとも考えられます。また、転職の際にも、自分を売り込むことができる大きなポイントになります。
資格を取得するとセミナーや展示会の情報を入手することができます。同業者の人たちと交流することができ、インテリアコーディネーターのネットワークを広げることができるのもメリットです。

更に詳しいメリットについてはこちらをご覧ください

インテリアコーディネーター資格試験について

資格試験について簡潔に紹介します。
試験は一次試験、二次試験があります。一次試験はインテリアに関する歴史から材料、工事に至るまでの広い幅から出題される学科試験です。
二次試験は「プレゼンテーション」で、図面の作成・インテリア計画・空間パース・論文等々の実技試験になります。
インテリアコーディネーターの合格率は、例年では20%程度となっており、合格までの平均勉強時間は一次・二次併せて200~300時間と言われています

試験の概要はこちら

そのほか、インテリアコーディネーターに役立つ資格はどのようなものがあるのかをご紹介します。

設計や建築に関する資格

インテリア設計士
インテリア関連の計画や設計、施工や施工の管理などを行う技術者です。リフォームやリノベーションまで内包するインテリアコーディネートを行いたいと考えている場合に役立つ資格です。

建築士
建物の段階から設計・コーディネートしたいと考える場合には、建築士の資格が役立ちます。建築士は国家資格で所定の受験資格(または実務経験)が必要なため、他の資格に比べるとハードルは高めです。しかし資格を取得できればお客様からの信頼獲得もしやすく、仕事の幅は大きく広がるでしょう。

空間のプランニングに関する資格

住空間収納プランナー
生活しやすい住まい作りを提案するプロフェッショナルで、デザイン性と同時に、住みやすい住空間をコーディネートする仕事です。家の間取りやライフスタイルなどを考慮しながら、ワンランク上のコーディネートを提案・実現することができるでしょう。

福祉住環境コーディネーター
ご高齢の方や障がいを持った方にとって快適な住環境をコーディネートするための資格です。医療や介護など、福祉に関わる現場で活躍したい場合に役立ちます。

特定の分野に特化した資格

ライティングコーディネーター、照明コンサルタント
快適な住空間を演出するための照明に関するエキスパートです。インテリアコーディネーターとして働く場合、照明に携わることが多々あり、資格を持っていれば照明理論を元に適切な光の環境を考えることができます。快適な住空間のプロデュースに役立ちます。

窓装飾プランナー
カーテンやブラインドを含む「窓」装飾を提案する資格です。インテリア業界はもちろんのこと、小売業界や百貨店業界でも活躍したい場合に役立ちます。

キッチンスペシャリスト
キッチンの設備や機器に関する知識を元に、キッチン空間をプロデュースする資格です。キッチンのコーディネートやリフォームにも役立ちます。

プラスアルファの資格

カラーコーディネーター、色彩コーディネーター
色彩の持つ特性を生かし、商品の色彩や配色などをコーディネートする色の専門家です。カラーコーディネーターは商工業系の分野に強いとされており、色彩コーディネーターはファッション関連の分野に強いとされています。インテリアコーディネーターとして働く際には色の組み合わせを考える場面も多々あるため、これらの資格もあると便利です。

役立つ資格について詳細はこちらを御覧ください

インテリアコーディネーターの年収

インテリアコーディネーターの年収はかなり差が有る業界です。どれだけ仕事をこなせるか任せられるかで全く年収の変わってくる業界です。 ここで記載する年収は平均的な年収とお考えください。独立をされてご自分で会社を持たれれば年収はこの限りでは無いでしょう。

平均的な年収
  • 1年目=200万円~250万円
  • 5年目=300万円~500万円
  • 10年目=500万円~1000万円

インテリアコーディネーターの活躍できる場所

インテリアコーディネーターが、実際にどのような場所・業界で活躍しているのかについてご紹介します。

住環境をコーディネートする業界
インテリアコーディネーターの活躍の場の中心である、住宅メーカーや不動産会社、リフォーム会社、などの住宅関連業界です。 仕事はお客様が快適で暮らしやすい住環境を作ること。職場によって仕事内容が異なるため、自分の強みや可能性を最大限に活かすことができる職場を選ぶようにしましょう。

インテリア家具や設備を取り扱う業界
インテリア業界、いわゆる、家具メーカーや照明メーカー、家電メーカーなどでも活躍の場があります。また、小売業界、百貨店業界でも、お客様のご要望に応えられるインテリアのスペシャリスト販売員として大いに活躍することができるでしょう。

空間プロデュース業界
空間を企画、設計する仕事でも活躍の場があります。 百貨店業界、大型家具店、ホームセンターなどにおいては、商品の魅力を最大限にアピールできる展示を。ブライダル業界であれば、結婚式場の空間をプロデュースして新郎新婦の幸せな門出を演出することが主な仕事内容です。

詳しくはこちらを御覧ください。

インテリアコーディネーターは独立できるのか

正社員と異なり、フリーのインテリアコーディネーターは多種多様な仕事にチャレンジできること、自分のカラーを存分に出せること、収入アップなど独立のメリットはたくさんあります。そのためにまずは業界へ就職し、知識と経験をしっかりと積み、スキルを磨いていくことが独立への第一歩です。

また、働きながら人脈を作っていくことで、様々な情報交換ができるだけでなく、将来独立する場合にも大きな強みとなります。独立を目指すのであれば、何度か転職を繰り返すことも視野に入れておくと良いかもしれません。

例えば、照明メーカー、カーテンメーカー、建材メーカー、住宅メーカーといったように、様々なメーカーに足を踏み入れることによって、様々な角度から技術を身に付けることができます。複合的にインテリアの知識を持っていれば、独立した際に非常に役立ちます。

中にはなるべく短期間で経験を積み、独立したいと考える人もいます。その場合に最適な就職先は、規模の小さい設計事務所やデザイン事務所です。小さな設計事務所やデザイン事務所であれば、調査・企画・営業・見積もり作成・精算に至るまでの様々な分野の仕事を自分で担当できる場合があります。短期間で幅広い知識を身に付けることができるでしょう。

先輩たちがSDCを進める理由

インテリアの仕事に必要な技術が身に付く

インテリアの仕事に必要な技術が身に付く

全くの素人だったのですが、1からインテリアの技術と知識を教わりました。実際に就職して驚いたのは学校で学んだ内容そのままを仕事で求められることです。学校に入る前に大学を卒業して就職した際は、学校の勉強が活きる事ってあまりなかったので、良い選択をしたと思います。

就活面接で驚かれるスキル

就活面接で驚かれるスキル

デザイン会社の集団面接を受けた際、初めての面接でかなり緊張していたのですが、最初にポートフォリオ(作品集)を提出した際、人事担当の方にとにかく驚かれました。これも出来るの?すごいな・・と、自分ではよく分かっていなかったのですが、その会社に入った際に理由が分かりました。デザインの業務はオールマイティに出来る人が少ないので、どんな作業でも担当できるという所が面接で魅力だったようです。

年齢を気にせず学べる

年齢を気にせず学べる

40代を過ぎて今さら勉強や転職など難しいと考えていたのですが、学校には同世代の人や年上の人も一緒に学んでいて、年齢を忘れて学べました。もちろん自分より若い人の方が多いのですが、年齢や経験も全く違う人たちが集まるので、年齢を気にしていることが無駄に感じるほどに充実した日々でした。
インテリア業界に就職した今は、年齢が様々なお客様と打合わせをするので、学校でのコミュニケーションが役に立っていると感じます。

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