京町家再生提案
コンペティション
2022
開催報告
スペースデザイン設計科・インテリアデザイン設計科2年生の授業課題として、年々消えゆく京町家の再生に向けた提案を行うこの取り組み。京町家再生研究会の小島様、内田様のご協力のお陰で18年目となりました。
今回の舞台は、東山区宮川町にある町家。学生3~4名から構成されたチームで課題に取り組みます。漠然と利用することだけを考えるのではなく、町家としての価値を高めて持続可能な仕組みを提案することが求められました。
各チーム思い思いの「使い方」を表現し、去る5月13日にはクライアントの皆様に向けてプレゼンテーションを行いました。その場でご講評いただき、プレゼンテーション終了後はクライアント様と担当講師陣による投票を行い、さまざまな観点から優れた提案をしたチームを選出しました。
この度ご協力いただいた皆様へ、心より御礼申し上げます。
※以下、小さい画像をクリック(タップ)すると作品が拡大表示されます。
最優秀賞 「継ながる町家 えんと」 Dチーム
Dチーム「継ながる町家 えんと」▼
■作品紹介
私たちは、「継ながる町家」をコンセプトに、京都の伝統文化を地域の子どもたちに継承する文化教室を提案しました。
思い出と趣の詰まった町家を、次の百年にも継なげるために、「今の意匠を活かすこと」は勿論、継なぎ手・担い手となるこどもたちに愛してもらえるよう、「新たな風を吹き込むこと」を目指した計画です。
たくさんの人が集い、たくさんの会話が生まれ、たくさんの笑顔が溢れる、皆を継なぐ町家となることを願っています。
優秀賞 「宮川町サロン ゆるね家」 Cチーム
Cチーム「宮川町サロン ゆるね家」▼
■作品紹介
歌舞伎の隆盛とともに発展した花街宮川町。芸に生きる芸妓、舞妓達が育んだ歴史が根付いているこの町で、「宮川サロンゆるね家」を提案しました。“癒・流・寧”をテーマに、風や水の流れを感じながら穏やかな時間を過ごしてほしいという願いをこめて名付けました。
昼間は、1Fに観光客に向けた足湯と薬膳カフェスペース、2Fに芸舞妓達のコミュニティサロンを設けました。夜は一般客でも芸舞妓さんの舞を見ることができるお茶屋体験の場となっています。
この場所が、宮川町や京町家の文化継承の1ページとなることを願います。
ほかのチームの作品詳細
Aチーム「花弁(花びら) 花が舞うように地域に広がるお弁当屋さん」▼
■作品紹介
私たちは京都の仕出し文化と町家を掛け合わせたお弁当屋さん、花弁(はなびら)を提案します。
お弁当は人や場所を選ばず手軽に食べられる良さがあります。敷居が高く感じられる京町家をお弁当屋さんにすることで、多くの人にお弁当を介して町家の魅力を知ってもらえると考えました。地域住民や観光客のコミュニケーションの場となるように計画しました。
Bチーム「みやっこ保育園」▼
■作品紹介
私達は町家やその暮らしを体験できる保育園として「みやっこ保育園」を提案します。地域住民であり、これからの未来を担う子どもたちが暮らしに思い出や親しみを持つことが「残していきたい」という気持ちに繋がると思い、保育園を計画しました。
暮らしを体験できる特別活動として、台所体験・障子張替え体験・漆喰塗替え体験・華道・茶道などがあります。
子供たちがみやっこ保育園を通して健やかに成長することと、そんな子供たちが大人になったときに町家が継承されていくことを願います。