京町家再生提案
コンペティション
2021

京町家の保存と再生 コンペティション結果発表
2020年の作品はこちら

開催報告

スペースデザイン設計科・インテリアデザイン設計科2年生の授業課題として、年々消えゆく京町家の再生に向けた提案を行うこの取り組みは、京町家再生研究会の小島様、内田様のご協力のお陰で17年目となりました。

今回の舞台は、上京区笹屋町にある町家。町家(ちょういえ)の今後の使われ方や、町家としての価値を高め、持続可能な仕組みを提案することが求められました。この町家を保存・再生すること、地域との関わり方を考慮した提案、各グループ思い思いの「使い方」を表現しました。
※全11グループ、それぞれ3名もしくは4名の学生で構成。

去る5月21日には、クライアントの皆様に向けてオンラインによるプレゼンテーションを行い、その場でご講評をいただきました。

コンペティションということで、今年もプレゼンテーション終了後にクライアント様と担当講師陣による投票を行い、さまざまな観点から優れた提案をしたグループを選出しました。

この度ご協力いただいた皆様へ、心より御礼申し上げます。

※以下、小さい画像をクリック(タップ)すると作品が拡大表示されます。

最優秀賞 「飴織-いおり-」 Eグループ

飴織-いおり-

Eグループ「飴織-いおり-」▼

<最優秀賞>


■作品紹介

飴を織る、体験型飴屋さん
古都京都発祥の飴細工を江戸時代から残る町家を舞台に展開します。今回西陣という土地柄から、織物職人に愛されてきた"たんきり飴"を飴細工にリクリエイトして販売します。尚店内では職人による飴細工の実演販売とワークショップを行っております。

西陣織と糸、そしてあめ
西陣織を織りなす糸、水飴が垂れた様子が糸のように見えることから"糸"をモチーフとし、ストリングアートと組み合わせて空間演出を行っています。2Fのギャラリースペースではお客様一人一人が糸を掛け、1年がかりで完成させるストリングアートスペースをご用意しております。

優秀賞 「西陣座」 Hグループ

西陣座

Hグループ「西陣座」▼

<優秀賞>


■作品紹介

私たちは、西陣にゆかりのある”映画”にスポットを当て、「歴史あるものを大切にする心」を伝える場所を提案しました。
”町屋”と”映画”。時代に合わせて少しづつ形を変えつつも、長く続くもの。そこにはきっと、人々の強い思いがあったはず。
「町屋の良さを残す」「時間軸を楽しむ」「町の人々に寄り添う」
この3つを軸に、今の時代に出来ることは何かを考え、計画しました。この場所が、京町家の長い物語の1ページとなることを願います。

各グループの作品詳細

Aグループ「Re:nuno」▼


■作品紹介

西陣織をはじめとする織物が有名な西陣の地。織物の繊維や布からヒントを得て古着回収と手芸屋さんを掛け合わせたお店「Re:nuno」を提案致します。
店名の“Re”とロゴの“o”の矢印はリサイクルを意味しており、地域の人々から古着を回収し小物やバッグを制作します。町屋の格子や通り庭などは残し、伝統は継承しつつも内装は明るく柔らかい雰囲気に致しました。

Bグループ「まちや工房」▼


■作品紹介

『スペースデザイン(空間設計)を学ぶ学生が考える町家の"空間"保存』
わたしたちは流行りのない安定した町家の保存を目標に学校(SDC)で借りることを前提としました。見た目だけの美しい町家の形だけでなく、長い歴史の中で受け継がれてきた町の人たちの想いを守ることに焦点を当て、町家の意匠はそのままに当時の日常を感じられる学生向けの工房へのリノベーションを提案いたします。

Cグループ「ささや」▼


■作品紹介

ささやはこの町家の中に小さな笹屋町を作るということをテーマに、地域の人のニーズと観光客のニーズをより良く提供できるように考えました。主に昼はカフェ兼バーとして、夜はクラフトビールバーとして営業し、その他スポーツビューイングやボードゲームの提供をします。大人だけでなく、子供も楽しめるようにソフトドリンクなどの用意もございます。そして、観光客には抹茶ビールを用意していて、自分で組み合わせを考えられるシステムになっています。インテリアは、ビールの泡から着想を得た曲線の活きた空間とし、ビールに合うようなポップな色合いを使いました。

Dグループ「Keshiki」▼


■作品紹介

町家を金継ぎショップとして提案します。笹屋町に行って感じた、「昔ながらの町家を守っていく」という強い意志が、’既存のものの歴史を受け止め、そこに新しい価値を加え日本の伝統を守っていく’という金継ぎの精神と共鳴すると思い、今回町家と金継ぎがつなぎ合わさった空間を計画しました。

Fグループ「香り専門店『香燈庵』」▼


■作品紹介

歴史を感じる京町家の建屋と立地である笹屋町の伝統を未来へ繋いでいく手段として、記憶や感情と深く関わる嗅覚、そして「香り」に着目しました。「人の心に香りを燈す」をコンセプトに据えて、訪れた人に香りと共にある特別なひと時を提供致します。また「ちょういえ」として地域コミュニティの中心なれるような、この町家だからこそのイベントもご提案させて頂きました。次の百年も愛され続ける町家となりますようにとの願いを各所に散りばめた計画となっています。

Gグループ「めぐり屋」▼


■作品紹介

昨今、SNSの発展により字を書く機会が減り、手書きの温かみや喜びを感じる機会が減っています。古くは木簡、または笹に字を書いていたそうです。この笹屋町の歴史ある町家で、めぐり屋 という店舗をご提案いたします。町家が老朽化してもまた再生して「循環」させるという特徴から派生し、万年筆と再生紙の販売、そして再生紙を作る紙漉き体験、絵手紙体験ができる店舗としました。それらを通じて町家の良さ、手紙を書くことの温かみや喜びを改めて感じることができます。

Iグループ「織仁」▼


■作品紹介

「笹屋町のランドマークへ、新たな町家のカタチ」
ランドマークとは、その町のイメージを決定付けるもの。織仁が笹屋町の顔となり、住民に親しまれるとともに、来訪者に強い印象を与える、そんな存在価値のある場になるようにと、デザインしました。
そのなかで私たちが大切にしたことは、住民の方々と同じ想いで町家と向き合うこと。町家本来の良さは残しつつも、大胆なアイデアで笹屋町のランドマークへ、もう一度、この場に活気を取り戻し、新たな町家のカタチを提案します。

Jグループ「いろどり日和」▼


■作品紹介

今回、町家を提案するにあたり、町家という伝統を継承していく為、カタチだけでなく映像や言葉で残すという点にスポットを当てました。
スマートフォンの進化により高額カメラ離れが進む今、レンタルという形でカメラを手にし、美しき伝統ある京都の風情を写真にすることをテーマとしました。
プランでは、ギャラリー、くつろぎスペース、撮影スペースを設け、コミュニティが生まれる場を計画しています。

Kグループ「京町三茶」▼


■作品紹介

わたしたちは町家の持つ、町内会などで集まるコミュニティセンターとしての機能に着目しました。
気軽に京都名産のお茶を楽しむことのできる空間を作り、近隣住民の皆さまの日常の交流に寄り添うことで、この町家が後世まで使われ続けるよう計画致しました。