京町家再生提案
コンペティション
2019

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開催報告

スペースデザイン設計科・インテリアデザイン設計科2年生による、「京町家の保存と再生コンペ展」を2019年6月4日〜9日に開催いたしました。

学生の授業課題として、年々消えゆく京町家の再生に向けた提案を行うこの取り組みは、京町家再生研究会の小島様、木下様のご協力のお陰で15年目となりました。

今回の舞台は、下京区石不動之町にある町家。住まいとしての空間に限定せず、利益を生み出す仕組みを提案することが求められました。この町家を保存・再生すること、地域との関わり方を考慮した提案、各グループ思い思いの「使い方」を表現しました。

5月29日には関係者の皆さまにプレゼンテーションを行い、講評していただきました。その後に開催した「京町家の保存と再生コンペ展」にて、完成作品を展示し一般の方へ公開、優れた作品を選出する投票を実施しました。

コンペ展では多くの方にお越しいただき、投票にご協力いただきましたことを心より御礼申し上げます。

※以下、画像をクリック(タップ)すると作品が拡大表示されます。

Dグループ「かなめ小路」▼

<得票数 第1位>


■グループのコメント

地域の名産である扇の要のように、 地域の魅力が広がっていって欲しいという思いから《かなめ小路》と名付けました。 地域の方々に寄り添い、人とのつながりと豊かな食が魅力ある通りとなるよう、料理学校とおばんざい食堂を中心に計画しました。

Cグループ「結きあい」▼

<得票数 第2位>


■グループのコメント

時代と共に高齢化が進む中、学生のまち=京都に着目し、大学のキャンパスとして活用することに至りました。教室だけでなく地域の方も利用できる学食や生涯学習スペースを設け、大学の枠を越えた学生と地域住民がふれあう場所となっています。

Aグループ「水來町(みくるまち)」▼


■グループのコメント

計画地に井戸があったことと、京都には豊富な地下水があることから、「水」をテーマとした水槽カフェ・物販店・庭(イベント広場)で構成された複合型商業施設を計画しました。路地に水を流したり、施設内の各部に水を使用することで、来訪者は「水が身近にある町家」での暮らしの豊かさを感じることができます。

Bグループ「鵲 TEA SALON KASASAGI」▼


■グループのコメント

地域的な問題として少子高齢化と若者不足、そして町には寂しさが漂う…どうすれば町家という空間を活かしながらそれらを解決できるのかと考えた時、「茶の湯町コンを開催するサロン」という答えに辿り着きました。上品な町家は来る人を選ばず、若者が集えば賑やかになり、彼らが結婚して子どもが増えれば地域活性化へと繋がります。

Eグループ「町やさい縁」▼


■グループのコメント

京都の麗しい町家が日々失われていくことの悔しさや、今回の計画地において少子高齢化が益々進んでいる実態を知り、私たちは町家の建築的な趣を次世代に残すと共に、町家に宿った「目に見えない魅力」を蘇らせたいと考え、「食」「野菜」という誰もが親しみやすいテーマを通じて、地域の人々が自然に集まってくるような、新しい場所を提案することにしました。

Fグループ「ココロ町」▼


■グループのコメント

京都の少子高齢化から生まれる過疎化、それに伴うこどもの居場所の減少と、かつては職人で栄えていた河原町の失われていく技術を伝承することを軸に、それぞれの居場所を作り、つなげる施設を考えました。子供達は遊び・学べるように、また「ものづくり」をあらゆる角度から体験していただけるようにプランしました。

Gグループ「綴 TSUZURU」▼


■グループのコメント

京都には美術、建築などの学校が多いため、造形関係の学生または卒業して5年以内の方に向けた条件付きシェアハウスを計画しました。観光客向けのコンテンツとして、和紙すき体験を行うことができます。計画範囲の路地を軸に、日本の古き良き文化と、これから日本に新たな文化を生み出す若者たちが住む、新しいコンセプトを提案しました。