インテリアコーディネーターの資格難易度は?
メリットや対策を解説

インテリアはデザインだけではなく、不自由ない日常生活を送れるように導線なども考慮しなければなりません。
一般の人が考えると、デザインと利便性の両立は難しいと感じるものです。
一見相反するふたつの要素を考慮し、最適な空間を提供する資格として、「インテリアコーディネーター」というものがあります。
本記事では、インテリアコーディネーターの資格難易度について、メリットや対策とあわせて解説します。
インテリアコーディネーター資格とは
インテリアコーディネーターは、住空間や商業施設などの内装設計において、快適な空間を提案する専門職に必要な資格です。
対象となるものは設備だけではなく、家具や照明、壁材などが含まれています。
公益社団法人インテリア産業協会が実施しており、1983年の創設以来、住宅関連業界で高い信頼を得ている資格です。
この資格は、住宅メーカー・建築設計事務所・インテリアショップなど、空間づくりに関わる幅広い業種で求められています。
ユーザーの暮らしに寄り添う空間演出のプロフェッショナルとして、ニーズに応える提案力が重視される場面で活用されます。
年齢や職業に関係なく受験できるため、主婦・学生・社会人など多様な層に支持されています。
そのため、インテリアコーディネーターは将来のキャリア形成にもつながる有望な資格といえるでしょう。
インテリアコーディネーター資格の難易度は高い?

先述の通り、インテリアコーディネーターは誰でも受験できることから、門戸が広い資格といえます。
こちらでは、インテリアコーディネーター資格の難易度についてご説明します。
試験の合格率推移
インテリアコーディネーター試験は、年1回実施される国家資格に準ずる民間資格です。
2023年度の一次試験の合格率は30%程度、二次試験は60%程度であることから、一次試験の突破が課題といえるでしょう。
過去数年の推移を見ても、一次試験の合格率は30~35%台で推移しており、毎年安定して難関であることが伺えます。
一方、二次試験は一次を突破した受験者が対象のため、比較的合格しやすくなっています。
出題範囲
一次試験では、「インテリアに関する基礎知識」や「建築法規」「環境・設備」などが問われます。
住宅関連の構造やインテリアの歴史、家具・素材の特性など、専門的かつ実用的な知識が出題される傾向にあります。
二次試験では、プレゼンテーションや記述式問題が中心であり、より実践的な能力が求められます。
与えられた条件をもとに、レイアウト図や設計意図を論述する力が問われるため、実践力と表現力が必要です。
勉強時間
合格までに必要とされる勉強時間は、受験者のバックグラウンドによって異なります。
一般的には、インテリアや建築に関する予備知識がない場合、300~400時間程度の学習時間が目安とされています。
日々の業務や家事の合間に学習する社会人や主婦の場合、1日2時間程度の学習を約半年続けるイメージが現実的です。
重要なのは、出題傾向に沿った効率的な学習を行うことであり、傾向と対策を理解することで合格率を高められます。
インテリアコーディネーターの難易度が高いと感じる理由
インテリアコーディネーター資格は誰でも受験できるという間口の広さとは裏腹に、多くの受験者が難易度の高さを実感しています。
以下にて、インテリアコーディネーターの難易度が高いと感じる理由について解説します。
出題範囲の広さ
一次試験はインテリア・建築・法規・設備・環境・色彩といった、多岐にわたる分野から出題されます。
さらに、二次試験では記述式問題やプレゼンテーション形式の課題が出されるため、さまざまな知識を網羅する必要があります。
図面を描くスキルや空間構成力、説明文を正確かつ論理的に表現する力が求められるため、単なる知識暗記では対応しきれません。
業界未経験者が多い
受験者の多くが社会人や主婦といった未経験者であることも、難易度を高める一因です。
学習時間の確保や、専門分野への理解に時間がかかるケースが多く、試験対策には計画性と継続力が必要です。
こうした理由から、インテリアコーディネーター資格は、総合力が試される資格と位置づけられています。
インテリアコーディネーター以外の他資格との比較
建築やインテリアに関する資格はさまざまで、インテリアコーディネーターはそのひとつにすぎません。
以下に、インテリアコーディネーター以外の他資格との比較をまとめました。
一級・二級建築士
建築士は建物全体の設計・監理を行う国家資格であり、取得には高度な専門知識と実務経験が求められます。
これに対してインテリアコーディネーターは受験資格に制限がなく、実務経験がない方でもチャレンジ可能です。
難易度は建築士に比べて低めですが、空間設計や建築知識も出題されるため、基礎学力と計画性が不可欠です。
インテリアプランナー
インテリアプランナーは、建築士との連携を重視する職能資格であり、より建築寄りの専門性を有する点が特徴です。
インテリアコーディネーターよりも設計・構造への知見が必要となる分、難易度は高めといえます。
ただし、実務を前提とした資格であるため、業務の幅を広げたい人におすすめの資格です。
カラーコーディネーター
カラーコーディネーターは、色彩理論や配色技術に関する知識を測る民間資格です。
色の選定や空間の印象操作において重要なスキルを証明できる一方で、出題範囲はインテリアコーディネーターほど広くありません。
そのため、色彩分野に特化したスキルを証明したい方に向いています。
インテリアコーディネーター以外の他資格との比較
一次・二次試験を突破し、晴れてインテリアコーディネーターとなることで、何ができるのでしょうか。
こちらでは、インテリアコーディネーター資格取得のメリットをご紹介します。
就職・転職で有利になる
インテリアコーディネーター資格は、住宅メーカー・インテリア関連企業・リフォーム業界など、多くの企業で評価されています。
この資格を保有していることで、一定の知識や提案力があることを客観的に証明でき、採用選考時のアピール材料として有効です。
専門性の証明になる
この資格は、インテリアに関する体系的な知識と応用力を備えていることの証です。
資格取得者は、顧客の要望を踏まえて空間提案ができるインテリアの専門家として、信頼を得やすくなります。
合格するためのおすすめ対策法

インテリアコーディネーターの資格を取得するためには、まずは一次・二次それぞれの試験を突破する必要があります。
以下にて、インテリアコーディネーターの資格試験に合格するための対策法をご紹介します。
独学で勉強する
独学は公式テキストや過去問題集を活用しながら、自分のペースで学習を進めたい方に適しています。
一方で、学習計画の立案やモチベーションの維持が必要なため、継続力と自己管理が求められます。
参考:インテリアコーディネーター資格は独学でも取れる?効率的な勉強法とは
通信講座で勉強する
通信講座では添削指導や模擬試験、動画解説などを通じて理解を深めることができ、独学よりも体系的に対策を進めやすくなります。
仕事や家庭と両立したい社会人にとって、柔軟な学習環境を整えられるのも利点です。
参考:インテリアコーディネーター科 オンラインコース(通信講座・ライブ授業)
専門学校に通学して勉強する
実践的に学びたい人には、講師や同級生との交流により学習意欲を高めやすく、就職サポートも受けられる専門学校がおすすめです。
実技演習や業界実務に即した授業を通じて、試験対策だけでなく将来のキャリアにも直結するスキルを身につけられます。
おわりに
本記事では、インテリアコーディネーターの資格難易度について解説しました。
インテリアコーディネーター資格は、住空間や商業施設などの内装設計において、快適な空間を提案する専門職に必要な資格です。
一次試験の合格率は30%程度、二次試験は60%程度であることから、一次試験の突破が課題といえます。
勉強方法としては独学や通信講座のほか、専門学校に通学する方法が挙げられます。
インテリアに関する仕事に就きたいと考えている場合、インテリアコーディネーターの資格取得を検討してはいかがでしょうか。