【インテリア専門学校では伝えきれない】
インテリアコーディネーターに役立つ資格まとめ
インテリアコーディネーターに役立つ資格まとめ
インテリアコーディネーターは、快適な住空間づくりに必要な知識と技術を備えたインテリアのプロフェッショナル。クライアントの要望やコンセプトを基に、専門的な知識と技術でコーディネート提案していくのが主な仕事です。ですが、建築や特定のインテリア分野など、仕事の幅が広がれば、時にはインテリアコーディネーターとして身につけた知識と技術では力不足と感じる場面も。
そこで今回は、知識・技術・提案力など、インテリアコーディネーターとしての実力をさらに上げる、おすすめの資格についてご紹介します。
インテリアコーディネーターに資格は必要?
インテリアコーディネーターとして働くためには、必ず資格が必要というわけではありません。実際、資格を取得していなくても活躍しているインテリアコーディネーターはたくさんいます。これは、現場経験を積むことで、必要な専門的知識、コーディネーターとして求められるスキルをある程度身につけることができるためです。
しかし、資格を取得していることで仕事がしやすくなることは間違いありません!資格取得の主なメリットにはこのようなものがあります。
- 建築やインテリアについて、専門用語や幅広い知識が身につく
- コーディネーターとしての提案力が増し、顧客からも信頼されやすい
- 就職・転職時には即戦力として採用されやすい
このように、インテリアコーディネーターとしてさらなる活躍を目指す人にとって、資格取得は大きなメリットになるでしょう。
ただし、インテリアコーディネーターの業務は時間が不規則な面もあり、仕事を始めてから資格取得を目指す場合、仕事と勉強両立するのは厳しいという現実があります。そのため、インテリアコーディネーターを目指す時点で資格を取得しておくのがおすすめです。
インテリアコーディネーターの資格
インテリアコーディネーター資格試験は、公益社団法人インテリア産業協会主催の資格試験です。受験資格はなく、誰もが受けられるのが特徴であり、試験は、1次試験(学科)と2次試験(論文・プレゼンテーション)に分かれています。
インテリア産業協会による「一次・二次試験を通じた資格取得対象者による合格者の推移」(https://www.interior.or.jp/examination/ic/result/)によれば、2017年~2021年の過去5年間の合格率は22.5%~25.1%となっています。資格試験としては難易度の高い試験ということが分かります。
資格取得を目指すにあたり、独学や通信講座、スクールなど、自分のライフスタイルに合わせた勉強方法を正しく選ぶことが合格への近道となるでしょう。
インテリアコーディネーター資格試験概要 についてはこちら
インテリアコーディネーターの仕事に役立つ資格とは?
インテリアコーディネーターとして第一線で活躍するために、インテリアコーディネーター資格を取得しようと考えている方は多いと思います。
インテリアコーディネーター資格以外にも、インテリア関連の資格は数多くあります。自分がどのようなインテリアコーディネーターになりたいのかという方向性を考え、その方向性に合った資格を取得することが望ましいでしょう。
インテリアコーディネーターに役立つ資格は、大きく分けて以下の4つに分類できます。
- ①設計や建築に関する資格
- ②空間のプランニングに関する資格
- ③特定の分野に特化した資格
- ④プラスアルファの資格
①設計や建築に関する資格
設計や建築に関する資格は、インテリアコーディネーターの仕事の質をさらに上げることができるおすすめの資格!
身につけた専門的な知識とスキルは、スキルアップや独立、コーディネーターとしての仕事の幅を広げたいときには、きっと役立つことでしょう。
【インテリア設計士】
インテリア設計士は、インテリア関連の計画や設計、施工や施工の管理などを行う技術者です。リフォームやリノベーションまで内包するインテリアコーディネートを行いたいと考えている場合は、インテリア設計士の資格が役に立ちます。
インテリアコーディネーター資格を取得していることで、インテリア設計士資格試験の2級受験が可能となり、さらに実務経験が1年以上ある場合には1級受験も可能となります。
そして、インテリアコーディネーター資格と合わせもつことで、室内空間コーディネートにおける企画・提案力の向上、施工や設備に関する知識の広がりを期待できます。
インテリア全般のデザインに関する仕事に就きたいと考える方には、大変おすすめの資格といえるでしょう。
【建築士】
決められたスペースのインテリアコーディネートだけではなく、建物の段階から設計・コーディネートしたいと考える場合には、建築士の資格取得をおすすめします。ただし、建築士は国家資格で所定の受験資格(または実務経験)が必要なため、他の資格に比べるとハードルは高めです。しかし、ハードルが高い分、資格を取得できればお客様からの信頼獲得もしやすく、仕事の幅は大きく広がるでしょう。
インテリアコーディネーターとして働く上では、建築に関する資格の取得は必須ではありません。しかし、建築の専門的な知識と技術は、独立や転職の際には有利となることは間違いありません。
②空間のプランニングに関する資格
空間のプランニングには、インテリアに関する基礎知識だけではなく、室内環境を計画する専門知識と空間に対する創造力が求められます。
ここでは、インテリアコーディネーター資格と合わせて取得しておきたい、空間プランニングに関する資格をご紹介します。取得しておくことで業務の幅が広がり、スキルアップや転職、独立を狙う際にもおすすめの資格です。
【住空間収納プランナー】
日本収納プランナー協会が実施する、2009年に誕生した比較的新しい資格制度です。
住空間収納プランナーとは、生活しやすい住まい作りを提案するプロフェッショナルです。家の間取りやライフスタイルなどを考慮しながら、動線を考えた収納や家具の配置、インテリアなどの提案を行います。
インテリアコーディネーターは、デザイン性だけを考えて住まいのコーディネートをする仕事ではありません。デザイン性と同時に、住みやすい住空間をコーディネートする仕事です。そのため、住空間収納プランナーの資格を持っていれば、住みやすさを考慮したワンランク上のコーディネートを提案、実現することができるでしょう。
【福祉住環境コーディネーター】
ご高齢の方や障がいを持った方にとって快適な住環境をコーディネートするための資格です。医療や介護など、福祉に関わる現場で活躍したい場合に役立ちます。
資格試験は、東京商工会議所が認定する民間資格です。介護や福祉だけではなく、医療や建築の知識も必要となります。
各分野の専門職とも連携を取りながら、幅広い視点からみたコーディネートと住環境の整備を行うのが仕事です。具体的には、住宅改修のアドバイスや福祉用具・介助用具の選定、住宅改修費支給に伴う申請書面の作成などを行います。
高齢化社会が急速に進む中、今後さらに需要が高まる資格といえるでしょう。
③特定の分野に特化した資格
インテリアコーディネーターとして仕事をしていると、特定の分野において深い知識を必要とする場面に遭遇することがよくあります。そこで、特定の分野に特化した資格を取得していれば、そんな場面でも柔軟に対応し、要望に寄り添った空間の提案をすることができるようになります。
ここでは、照明や窓装飾、キッチンなど、特定の分野に特化した資格について詳しくご紹介します。
【ライティングコーディネーター、照明コンサルタント】
ライティングコーディネーターと照明コンサルタントは、快適な住空間を演出するための照明に関するエキスパートとして知られています。
インテリアコーディネーターとして働く場合、照明に携わることが多々あります。ライティングコーディネーターや照明コンサルタントの資格を持っていれば照明理論を元に適切な光の環境を考えることができるため、快適な住空間のプロデュースに役立つでしょう。
照明は、空間演出や雰囲気作りにはかかせないアイテムのひとつ。他の職種でも照明業務を担当することも多いため、インテリアコーディネーターと合わせて取得しておくことでより質の高い提案ができるようになるでしょう。
【窓装飾プランナー】
カーテンやブラインドを含む「窓」というワンポイントに焦点を絞り、より専門的にお客様のニーズに合わせた窓装飾を提案する資格です。インテリア業界はもちろんのこと、小売業界や百貨店業界でも活躍したい場合に役立つのではないでしょうか。
その仕事内容は、多彩な窓装飾アイテムの中から機能性や装飾性にも注目して選定を行い、ニーズやライフスタイルなどに寄り添う提案を行います。インテリアコーディネーターとしてのセンスアップにもつながる資格です。
【キッチンスペシャリスト】
キッチンの設備や機器に関する知識を元に、キッチン空間をプロデュースする資格です。既存のキッチンを使いやすくコーディネートすることはもちろん、キッチンリフォームの提案にも役立つでしょう。
自宅で料理を好んで行う家庭では、キッチンが暮らしの中心にあるということも珍しくありません。多様化するニーズやキッチンへのこだわりや関心が高まる現代では、レイアウトや設備、防災にまで幅広く精通するキッチンスペシャリスト資格は、持っておくと良い資格のひとつといえるでしょう。
④プラスアルファの資格
インテリアコーディネーター業務では、コーディネートの知識だけでなく、色彩の知識も必要となります。色が空間に与える印象はとても大きく、組み合わせる色によってはコーディネートを崩してしまうこともあります。
ここでは、持っておくと役立つ、色に関する資格についてのご紹介です。
【カラーコーディネーター、色彩コーディネーター】
カラーコーディネーターは、色彩の持つ特性を生かし、商品の色彩や配色などをコーディネートする色の専門家です。商工会議所が検定試験を実施するという背景から、商工業系の分野に強いとされています。
色彩コーディネーターも色彩の持つ特性を生かすという点ではカラーコーディネーターと似ています。しかし、検定試験を実施する色彩検定協会がファッション系の団体であることから、商品開発などの商工業系よりも、ファッション関連の分野に強いといわれています。
インテリアコーディネーターとして働く際には色の組み合わせを考える場面も多々あるため、カラーコーディネーター、色彩コーディネーターの資格を取得しておくと役に立つでしょう。
インテリアコーディネーター資格試験よりも色の性質や色彩学について深く学ぶため、効果的な色使いやプレゼンテーション力の向上にもつながる資格です。
インテリアコーディネーターに役立つ資格を取得するには?
インテリアコーディネーターの仕事に役立つ資格は、ご紹介したように数多くあります。その難易度もさまざまですが、どのような方法で資格取得するのが良いのでしょうか。
1. 独学で学ぶ
インテリアコーディネーター資格をすでに取得している場合は、その知識をベースに勉強を進めることができます。独学での資格取得も十分可能です。ライフスタイルを変えずに勉強できるため忙しい人にはおすすめです。ただし、相談できる講師がいないため、一人で解決することが難しいというデメリットがある点は注意が必要でしょう。
2. 大学・専門学校で学ぶ
大学や専門学校で学ぶことにより、確実に正しい知識を身につけることができます。しかし、学費面やカリキュラムによっては、働きながらや、ダブルスクールでは通学が難しい場合も。
また、建築士の資格試験は、大学や高等専門学校、職業訓練校など、指定科目を修めて卒業することが必要です。このように、取得する資格によっては受験資格があるので注意が必要です。
3. スクールで学ぶ
スクールを利用して学ぶ方法は、働きながらスキルアップを目指す方、独立や転職を考えている方、インテリアの仕事に就きたいと本気で考える方には大変おすすめの方法です。
インテリアに関する知識を学べるスクールは数多くあります。中でも、働きながらでも通いやすいカリキュラム、そして、年齢に関係なく本気で資格取得をめざす社会人が集まるSDC(スペースデザインカレッジ)は特におすすめ!インテリアと建築の現役のプロが講師となり、即戦力となれる力を身につけることができる魅力的なスクールです。
おわりに
インテリアコーディネーターと一言でいっても、それぞれ得意分野や目指す方向性は異なるはずです。資格は絶対に必要というわけではありませんが、持っていれば有利に働くことは確かでしょう。ご自身が目指すインテリアコーディネーター像に合った資格について、少しずつ学んでみてはいかがでしょうか。